なんだかKindleで一冊120円だったうえに評価もまずまずだった、
という不純な動機から読み始めたものだったんですが、良かったです。
なんでこんなに安いんだろう。セール対象だったんだろうか。
テルミー1 君がやろうとしていることは
修学旅行のバスが不運な事故に遭い、25人中24人が死亡する惨事となる。
ただひとり生き残った少女、鬼塚輝美(きづかてるみ)と、
偶然にも修学旅行に行けなかった少年、灰吹清隆(はいぶききよたか)が、
亡くなったクラスメイトが死ぬ間際に残した『無念』を晴らすために奔走する。
という、少し不思議ないい話です。
一読してまず思ったのは、
『ドラマ化したらウケそうだなー』という、これまた不純な感想でした
役者さんが男女25人分の人格を完全に演じきることができれば、ですが。
さておき真面目な感想としては、
登場人物ひとりひとりを丁寧に描いている点が好ポイント。
また、単に無念を晴らして「イイハナシダナー」で終わらせるのではなく、
主人公の鬼塚輝美と灰吹清隆の二名が精神的に変化していくところも良い感じです(あえて成長とは書かない)。
なんだかな-、と思ったのは、まずプロローグがくどいというところと、人称の変化が分かりづらい、というところでしょうか。
主要な人物だけで26名もの大勢が関わっていて、彼らの無念を書くという構成上、かなり難しいんですが。
2巻はこれから読むところですが、ハッピーエンドの予感しかしないので、鬱々とせずに読めそうです。
シリアスなのと鬱々なのは違うよねっていう話です。
あと関係ないけど女の子が主体的に動いていく話って良いよね。